メニュー

認知症と栄養の関係|当クリニック 認知症専門外来

認知症専門外来|治療のご説明

認知症の症状に、
栄養が深く関わっている
ことをご存知ですか?

「薬を飲んでいるのに元気が出ない」「どんどん進んでいく気がする」——
そのご心配の一部は、ビタミンやミネラルの不足が原因かもしれません。
当クリニックでは、全ての患者さんに栄養の採血を行い、
「治せる部分」を丁寧に探しています。

当クリニックの初診患者さんの
 8割以上 
に亜鉛欠乏が見つかっています
 

「認知症は治らない」と
あきらめないでください

認知症そのものを完全に治すことは、現在の医学では難しいのが実情です。しかし、 認知症の患者さんの多くには、薬で治せる「上乗せの悪化」が隠れています。 それが、ビタミンやミネラルの不足——つまり栄養欠乏です。

「最近、急に元気がなくなった」
「食欲が落ちて、食事を残すようになった」
「以前より表情が少なくなった気がする」

このような変化を「認知症が進んだから仕方ない」と思っていませんか?
実は、こうした症状の多くは亜鉛・ビタミンB群・ビタミンDの不足が原因で起きていることがあります。 栄養を補充することで、これらの症状が改善するケースを当クリニックでは多数経験しています。

💡

当クリニックが全員に栄養の採血をする理由

日本の医学部教育では、栄養学が独立した科目として教えられることがほとんどありません。 そのため、多くの医師が「ビタミンやミネラルの不足」を見落としてきました。 当クリニックでは長年の診療経験から、認知症と栄養欠乏の深いつながりに気づき、 初診から全員に栄養スクリーニングを行っています。

 

認知症を「三つの層」で考える

当クリニックでは、認知症の病態を下の図のように「三層構造」で捉えています。 大切なのは、真ん中の「栄養欠乏の層」は治療で改善できるということです。

Layer 1
神経発達的な基盤
生まれつきの特性(ASD・ADHDの傾向など)。偏食・薬への敏感さ・感覚の過敏さが背景にあることがあります。 これが認知症を発症しやすくする「土台」になっている場合があります。
Layer 2
複合栄養欠乏(可逆的)
亜鉛・ビタミンB群・ビタミンD・マグネシウムの不足。 補充することで改善できる「治療可能な層」です。 多くの患者さんでここが見落とされています。
介入できる!
Layer 3
神経変性(不可逆的な部分)
レビー小体型認知症・アルツハイマー病・血管性認知症など、 脳の神経細胞が変性していく部分。進行を遅らせることを目指します。
🔑

最も大切なポイント

「認知症が悪化した」と見える症状の多くに、 Layer 2(栄養欠乏)による上乗せの悪化が含まれています。 Layer 3は変わらなくても、Layer 2を治療することで 意欲・活気・食欲が大きく改善する患者さんを当クリニックは多数経験しています。

 

脳と体を守る「4つの栄養素」

認知症の患者さんで特に不足しやすい栄養素を解説します。 それぞれが脳・神経・免疫に深く関わっており、不足すると認知症の症状に似た変化が起きます。

🔩

亜鉛(Zinc)

最重要

体の中の300種類以上の酵素が働くために必要な元素です。 脳の記憶中枢(海馬)に多く存在し、神経炎症を抑える役割を持っています。 高齢者の約45%が不足しており、認知症患者ではさらに高率です。

不足すると…

  • 意欲・活気の低下
  • 味がしない・食欲がない
  • 感染を繰り返す
  • 傷・褥瘡が治りにくい
  • 髪が抜ける・皮膚炎

ビタミンB群

最優先

脳のエネルギー産生・神経の保護・神経伝達物質(やる気や幸福感に関わる物質)の 合成に不可欠です。特にB1は最優先で確認します。 B1が極端に不足すると、不可逆的な記憶障害に至ることがあるためです。

不足すると…

  • 意識がぼんやりする(B1)
  • うつ・気分の落ち込み(B6)
  • 認知機能の低下・貧血(B12)
  • 手足のしびれ・歩行障害
☀️

ビタミンD3

重要

「日光のビタミン」とも呼ばれますが、高齢になると皮膚での合成力が 若い頃の4分の1以下になります。 脳の炎症を抑え、免疫・骨・筋力・睡眠に深く関わっています。 当院では薬剤投与と日光浴指導を組み合わせています。

不足すると…

  • 脳の炎症が起きやすくなる
  • 感染症にかかりやすくなる
  • 筋力が落ちて転倒しやすくなる
  • 睡眠リズムが乱れる
🌿

マグネシウム(Mg)

必須

ビタミンD3を体の中で「活性型」に変換するために不可欠な栄養素です。 マグネシウムが不足していると、ビタミンDを飲んでも効果が出ません。 また300種類以上の酵素反応にも関わり、B1の働きも助けます。

不足すると…

  • 筋肉がけいれんする
  • 不眠・だるさ
  • ビタミンDが効かなくなる
  • 不整脈のリスク
⚠️

よく飲む薬が栄養素を奪っていることがあります

以下の薬は亜鉛やビタミンを減らしてしまうことが知られています。 ご家族が複数の薬を飲まれている場合は、ぜひ医師にご相談ください。

利尿薬(むくみの薬)

亜鉛・ビタミンB1を尿から排泄させます。フロセミド、スピロノラクトンなど。

胃薬(PPI・H2ブロッカー)

胃酸を抑えることで亜鉛・B12の吸収を妨げます。オメプラゾール、ファモチジンなど。

糖尿病の薬(メトホルミン)

長期服用でビタミンB12が低下します。認知機能低下の原因になることがあります。

パーキンソン病の薬(レボドパ)

ビタミンB6の消費を増やします。神経症状への影響が懸念されます。

 

初診から全員に行う
栄養スクリーニング

当クリニックでは、初診時に認知機能の評価と同時に、 亜鉛・ビタミン・ミネラルの採血をすべての患者さんに行っています。 これは当院が長年の診療経験から確立した独自のアプローチです。

初診時採血

全員に亜鉛・B群・VD・Mg等を測定

結果の精密評価

栄養状態を考慮した補正値で判断

優先順位をつけて補充

B1→B群→亜鉛→Mg→VD3の順

定期的なフォロー

1〜2ヶ月ごとに採血で量を調整

主な採血項目とその意味

採血項目 なぜ調べるのか 重要度
血清亜鉛 脳の炎症・免疫・味覚に関わる。80〜130 µg/dLが正常。8割以上の方で不足が見つかります 最重要
ビタミンB1 脳のエネルギー産生に直結。不足すると不可逆的な記憶障害に至る危険があります 最優先
ビタミンB12 神経の保護・赤血球の産生に必要。胃薬・糖尿病薬を飲んでいる方は特に注意 重要
25-OHビタミンD 脳の炎症・免疫・骨・筋力・睡眠に関わる。目標値30〜50 ng/mL 重要
マグネシウム ビタミンDを体内で活性化するのに不可欠。不足するとVDが効きません 重要
アルブミン 栄養状態の指標。亜鉛値の補正にも使用します 必須
🩺

補充の優先順位には理由があります

ビタミンB1は最優先で確認・補充します。なぜなら、B1が著しく不足した状態で ブドウ糖(点滴など)を投与すると、「ウェルニッケ脳症」という 取り返しのつかない脳障害を引き起こす危険があるためです。
また、マグネシウムはビタミンDより先に補充します。 Mgが不足していると、VD3を服用しても体内で活性化されず、効果が出ないからです。

 

栄養補充で実際に
起きる変化

栄養補充を始めると、多くの患者さんで段階的な変化が現れます。 最初に現れるのは「意識・気のアップ」です。 「目の輝きが戻った」という言葉をご家族からよく聞きます。

 
数日〜1週間
意欲・活気の回復

「なんとなく元気になった」「目の輝きが戻ってきた気がする」
脳のエネルギー産生が回復し、覚醒・注意・意欲が最初に改善します。 これが栄養補充で最も早く、そして最も実感しやすい変化です。

 
1〜2週間
食欲・食事量の改善

「食事を残さなくなった」「おいしいと言うようになった」
亜鉛が補充されると味覚や食欲に関わる神経の働きが回復してきます。 食事量が増えることで、さらなる栄養改善の好循環が生まれます。

 
2〜4週間
皮膚・傷の回復

「褥瘡(床ずれ)が改善し始めた」「口内炎が治った」
皮膚・粘膜の修復に亜鉛は不可欠です。なかなか治らなかった傷が 回復に向かいはじめます。

 
1〜3ヶ月
感覚・認知の変化

「味がわかるようになってきた」「会話が増えた」「表情が豊かになった」
時間をかけて神経機能が回復してきます。ご家族との会話が少し増えた、 という小さな変化が大きな希望になります。

📋

ご家族へのお願い:小さな変化を記録してください

補充前後の変化は、「食事を何割食べたか」「目が合う回数」「会話の量」 など、日常の小さな観察が大切です。ご家族の気づきが治療評価に直接役立ちます。 受診時に「最近こんなことがありました」とどんな小さなことでも教えてください。

 

当クリニックが
「他と違う」理由

当クリニックの診療は、薬を処方するだけではありません。 長年の臨床経験から生まれた独自のアプローチで、 患者さんの「治せる部分」を丁寧に探します。

🔬

全患者に栄養採血を実施

認知症専門外来で初診から全員に亜鉛・ビタミンを測定するクリニックは非常に少ない。 「見えない欠乏」を見逃しません。

🧩

神経発達の視点

ASD・ADHDの特性が認知症の背景にある場合、薬への過敏さや 偏食への特別な配慮が治療の鍵になります。

💊

超低用量薬物療法

薬に敏感な患者さんに対して、通常より少ない量から慎重に調整します。 「少量から始めて、様子を見ながら」が基本姿勢です。

🌿

栄養・薬・生活の三位一体

薬だけでなく、栄養補充・日光浴・食生活の改善を組み合わせた 包括的なアプローチで、患者さんの「元気」を取り戻します。

 

ご家族からよく
いただく質問

初めて来院されるご家族からよくいただく質問をまとめました。

Q
こんなにたくさん採血して、何を調べているのですか?

記憶や意欲に関係するビタミン・ミネラルが十分にあるかどうかを確認しています。 これらが不足していると、薬だけでは改善しにくいことがあります。

当クリニックでは初診患者さんの8割以上に何らかの栄養欠乏が見つかっています。 「採血が多い」のは、それだけ丁寧に診ているということでもあります。 ぜひ積極的に受けていただければと思います。

Q
薬だけでは足りないのですか?

認知症の薬は大切ですが、薬でカバーできない部分を栄養で補うことが非常に重要です。 亜鉛やビタミンBは脳の働きに直接関係しています。

たとえば、意欲や活気は「脳のエネルギー不足」が原因のことがあります。 ビタミンB1を補充することで脳のATP(エネルギー)産生が回復し、 「元気になった」という変化が早い段階で現れることがあります。

Q
食事に気をつければ採血や補充は不要ですか?

食事からの摂取が一番理想的です。牡蠣・ホタテ・魚介類・牛の赤身肉には亜鉛が豊富に含まれています。 しかし、高齢になると腸での吸収力が大幅に落ちてしまいます。 食べていても体に十分取り込まれていないことが多いのです。

また、玄米・全粒粉・豆類には「フィチン酸」という物質が含まれており、 亜鉛の吸収を妨げます。健康的と思われている食事でも、 亜鉛不足になる場合があります。採血で実際の状態を確認することが大切です。

Q
市販のサプリメントで代用できますか?

市販のサプリメントは量が不十分だったり、逆に多すぎる場合があります。 特に亜鉛は多すぎると「銅欠乏」を引き起こし、貧血や神経障害につながる危険があります。

当クリニックでは採血の数値を見ながら適切な量を処方しています。 「何をどれくらい飲めばいいか」は患者さんによって異なりますので、 自己判断でのサプリメント服用はお勧めしません。まずご相談ください。

Q
ビタミンDは日光を浴びれば十分ですか?

日光浴はとても効果的で、毎日15〜30分、手や顔に日光を当てることをお勧めしています。 しかし、高齢になると皮膚でのビタミンD合成力が若い頃の4分の1以下になってしまいます。

そのため、日光浴だけでは十分な量を確保できないことが多く、 薬(VD3)での補充を組み合わせています。また、ビタミンDが体内で 活性化されるにはマグネシウムが必要なため、Mgも同時に補充しています。

Q
効果が出るまでどのくらいかかりますか?

最初の変化として「意欲・活気の回復」が数日〜1週間で現れることがあります。 食欲の改善は1〜2週間、皮膚・傷の回復は2〜4週間、 味覚や認知の変化は1〜3ヶ月かけて現れることが多いです。

ただし、個人差があります。「変化がない」と感じても、 採血の数値は着実に改善していることがあります。 焦らず定期的なフォローを続けることが大切です。

Q
他の病院でもらっている薬と一緒に飲んでも大丈夫ですか?

初診時に、他院で処方されているお薬をすべて教えてください(お薬手帳をお持ちいただくと便利です)。 利尿薬・胃薬・糖尿病薬・パーキンソン病薬など、栄養素の吸収や排泄に影響する薬があります。

これらの情報をもとに、補充する栄養素の種類と量を調整します。 亜鉛製剤を長期間服用する場合は銅や鉄のバランスも定期的に確認します。

Q
認知症は結局治らないのではないですか?

認知症の神経変性そのものを完全に治すことは、現在の医学では難しいのが実情です。 しかし、「治せる部分」と「治せない部分」があります。

栄養欠乏による「上乗せの悪化」は、補充することで改善できます。 神経変性は変わらなくても、栄養を整えることで 「意欲・活気・食欲・表情」といった生活の質が大きく改善することがあるのです。 「完全に治す」ではなく「できる限り元気でいられるように支える」—— それが当クリニックの目指す医療です。

 

ご家族にできる
日常のサポート

医療での栄養補充と合わせて、日常生活でできることをご紹介します。 小さな積み重ねが、患者さんの回復を後押しします。

🦪

亜鉛が多い食品を意識する

牡蠣・ホタテ・魚介類・牛の赤身肉に亜鉛が豊富です。 和食ベースで海産物を取り入れることが理想的です。 玄米・豆類は亜鉛の吸収を妨げる成分を含むので食べすぎに注意しましょう。

☀️

毎日少し日光浴をする

晴れた日に15〜30分、手や顔に直射日光を当てることで ビタミンDの合成を促します。窓越しではなく、屋外に出ることが大切です。 車いすでも、ベランダに出るだけでも効果があります。

📝

日常の変化を記録する

「今日は食事を8割食べた」「笑顔が出た」「会話が増えた」—— 小さな変化を手帳やスマートフォンにメモしておくと、 受診時の情報共有に役立ちます。 変化がなくても「変化がない」と教えていただくことも大切です。

💊

お薬手帳を必ず持参する

他院で処方されている薬が栄養の吸収・排泄に影響することがあります。 すべての薬を把握するために、お薬手帳を毎回の受診にお持ちください。 サプリメントも必ずお知らせください。

まず一度、ご相談ください

「うちの家族も栄養が不足しているのかもしれない」
「今の治療に栄養管理を加えてほしい」
そのようなご希望をお持ちの方は、お気軽にご連絡ください。
初診は予約制です。お電話からご予約いただけます。

初診のお電話はこちら

当クリニック 認知症専門外来

本ページの内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の医療アドバイスに代わるものではありません。
治療については必ず医師にご相談ください。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME